オールオン4

オールオン4とは

オールオン4は、歯をすべて失ってしまった、あるいはほとんどの歯が残せない状態の顎に対して、最少4本のインプラント(人工歯根)をバランス良く配置し、その上に12本の歯が一体となったブリッジを固定する治療法です。
従来のインプラント治療では、失った歯の本数に近い数のインプラントを埋入する必要がありましたが、この方法では少ない本数のインプラントで片顎すべての歯を支えることが目指せます。
手術当日に仮の歯を装着できる場合が多く、見た目や食事に関するお悩みを早期に改善できる可能性がある点も特徴の一つです。骨が薄いなどの理由で従来のインプラントが難しいと診断された方でも、適用できるケースがあります。
あなたはオールオン4に適している?
簡単なセルフチェック

オールオン4は、特定のお悩みを抱える方にとって、現在の状況を改善するための選択肢となり得ます。以下にご自身の状況と照らし合わせて、どのような方がこの治療法を検討されることが多いのか、具体的なケースを見ていきましょう。
多くの歯を失った、または総入れ歯をご使用中の方
多くの歯が機能しなくなったり、広範囲にわたるむし歯や歯周病で歯を維持するのが難しくなったりした場合、オールオン4は有力な選択肢となります。また、すでに総入れ歯をお使いで、その使用感に満足できていない方にも検討されています。
すべての歯を数本のインプラントで支える構造のため、一本ずつインプラントを埋め込む方法に比べて、体への負担や治療にかかる期間、費用を抑えられる可能性があります。
入れ歯の痛みやズレ、味の分かりにくさにお悩みの方
総入れ歯は、口の中でずれたり外れたりしやすく、硬いものが噛みにくい、食事中に痛みを感じるといった不便さを感じることがあります。また、上顎の入れ歯は口蓋(口の天井部分)を覆うため、食べ物の温度や食感が分かりにくくなり、食事が楽しめないという声も聞かれます。
オールオン4は顎の骨に直接インプラントを固定するため、入れ歯のようなズレやガタつきがありません。さらに、口蓋を覆う必要がないため、ご自身の歯に近い感覚で食事の味や温かさを感じられるようになります。
他院で「骨の量が足りない」と言われた方
インプラント治療を受けるには、インプラントを支える十分な顎の骨の量が必要です。そのため、歯を失ってから時間が経ち、骨が痩せてしまった方は、インプラント治療を断念せざるを得ないことがありました。
しかし、オールオン4は、骨が比較的残りやすい前方の部分や、硬くて丈夫な部分を選んでインプラントを斜めに埋入するなどの工夫で、骨の移植手術を避けられる場合があります。他の歯科医院で骨の量を理由にインプラントを諦めていた方でも、オールオン4であれば治療ができる可能性があります。
オールオン4で後悔しないための歯科医院選び

オールオン4は、専門的な知識と高い技術が必要な治療法です。そのため、どの歯科医院で治療を受けるかによって、将来的なお口の健康に大きな差が出ることがあります。
歯科医院を選ぶときは、歯科医師の経験や資格を確認しましょう。これが安心して治療を任せられるかどうかの大きな判断材料になります。
また、精密な診断に欠かせない歯科用CTなどの設備が整っているかどうか、治療後の保証制度やメンテナンス体制がしっかりしているかも重要なポイントです。
当院院長の小沼は、日本口腔インプラント学会の専修医の資格を持っています。インプラント治療は、担当する歯科医師の技術や知識が治療結果に大きく影響します。経験豊富な医師のもとで、納得のいく治療を受けましょう。
オールオン4に関するよくある質問

オールオン4を検討するにあたり、多くの患者さまがさまざまな疑問や不安をお持ちではないでしょうか。ここでは、オールオン4に関するよくある質問を紹介します。
本当に当日から噛めるの?
オールオン4では、多くの場合、手術当日にインプラントを埋入し、その日のうちに固定式の仮歯を装着することが可能です。そのため、見た目が回復し、食事を摂ることもできます。
ただし、この段階の仮歯は最終的なものではなく、またインプラントが骨としっかり結合するまでには一定の期間が必要です。手術後しばらくは、インプラントに過度な負担をかけないよう、硬い食べ物は避け、おかゆやスープ、豆腐といった柔らかい食事を心がける必要があります。
失敗したらどうなる?
どのような外科処置にもリスクは伴い、オールオン4も例外ではありません。起こりうるトラブルとしては、インプラントが顎の骨と結合しない、手術中に神経や血管を損傷してしまう、噛み合わせが合わない、といったケースが挙げられます。
また、治療後のセルフケアや定期メンテナンスを怠ると、インプラントの周りの歯ぐきが炎症を起こす「インプラント周囲炎」を発症し、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまう可能性もあります。
万が一インプラントが骨と結合しなかった場合は、状況に応じて再手術を行うこともあります。
メンテナンスが大変?
オールオン4を長持ちさせるためには、日々のセルフケアと歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。セルフケアでは、毎日の丁寧な歯磨きに加えて、歯間ブラシやタフトブラシといった専用の清掃用具を使い、ブリッジの下やインプラント周辺の汚れをしっかり除去する必要があります。
歯科医院での定期メンテナンスは、通常3ヶ月に1回程度の頻度で行われます。専門家によるクリーニングのほか、噛み合わせのチェック、インプラントの状態をレントゲンで確認するなど、ご家庭ではできない専門的なケアを受けられます。