入れ歯治療

入れ歯治療とは

入れ歯治療は、歯を失った部分に人工の歯を取り付け、噛む機能や見た目を回復させる治療です。
歯を失ったままにしておくと、かみ合わせが悪くなったり、残っている歯に負担がかかり、歯を失うリスクが高まってしまいます。入れ歯治療を行うことで、歯本来の機能を取り戻せるのがメリットです。
入れ歯にはすべての歯を補う「総入れ歯」と部分的に補う「部分入れ歯」があり、患者様の状態に合わせて最適な方を選択します。見た目の自然さや装着時の違和感を軽減するために、素材や設計にもさまざまな工夫が施されています。
入れ歯を装着すると、食事や会話がしやすくなり、生活の質を高められます。また、顎の骨や表情筋のバランスの維持にもつながるため、美容面や健康面でも重要な役割を担っています。
総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に使う義歯です。顎の裏面を覆い、すべての歯を人工歯によって補います。床が歯茎に吸盤のように吸い付き、固定される仕組みです。
部分入れ歯
部分入れ歯は、失った歯の部分のみに使用する義歯です。総入れ歯と異なり、吸着できないため、残っている歯にクラスプという金属のばねをひっかけて固定します。失った歯の部位、残っている歯の本数などによって、最適なものを選びます。
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯は大きく保険と自費の2つに分けられます。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
部分入れ歯 | 総入れ歯 | |
---|---|---|
メリット | ・どのようなケースにも対応できる ・外科的処置がない |
・外科処置がない |
デメリット | ・違和感や異物感がある ・金属のばねが気になる ・4~5割ほど、噛む力が低くなる |
・7~8割ほど、噛む力が弱くなる ・違和感や異物感がある |
保険診療はクラスプ(金属の留め具)が目立ったり、入れ歯の厚みがありますが、費用を抑えつつ、スピーディに作製できるのがメリットです。対して、自費診療は、薄く作れたり、付けていることが分からないなど、患者様の要望に応じて選択できます。
こんな方におすすめ
入れ歯はサイズが合っていても、使っていくうちに不具合が起こってしまうことが多いです。そのため、不具合を取り除くための調整が欠かせません。
入れ歯は見た目や機能性を回復させるだけでなく、食事や会話など日常生活の質も高められます。しかし、どれだけサイズや機能性を考えて作った入れ歯でも、違和感や痛みを生じることがあります。これは、口の中で入れ歯がなじむまでに時間がかかるためです。
患者様の顎や口腔の動きをしっかり確認し、使い始めてからも定期的に調整し、快適に使い続けられる入れ歯を提供しています。
以下のような悩みをお持ちの方はご相談ください。
- 硬いものが噛めない
- 話しにくい、違和感がある
- 臭いが気になる
- 入れ歯がズレる、外れる
- 入れ歯が当たっていたい
- 部分入れ歯のクラスプが気になる
- 自然な見た目にしたい
- 強く噛むことができない
取り扱っている入れ歯
【保険適用】レジン

メリット | デメリット |
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・保険適用 ・自費と比べて安価 ・修理しやすい ・ほとんどの症例で使用できる ・治療期間が短い |
・金属の留め具が目立つ ・長く使用すると、変色やすり減りが生じる ・床の厚みで、装着時に違和感を生じやすい ・しゃべりにくい |
保険適用の入れ歯はレジンを取り扱っています。歯と歯茎の部分をプラスチックの樹脂で作る入れ歯です。部分入れ歯の留め具には銀色の金具を使用しています。総入れ歯では、床に厚みを作って耐久性を確保する必要があるため、装着時に違和感が生じるケースがあります。
【自費】コバルト床

メリット | デメリット |
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・違和感が少なく、付け心地が良い ・壊れにくい ・食事の熱や味を感じやすい |
・金属アレルギーのリスクがある ・修理が難しい ・自費診療 |
コバルト床は、床の部分が金属で作られた入れ歯です。強度が高く、壊れにくいのが特徴です。そして、薄く作ることができるため、装着時の違和感も軽減されています。金属部分は外から見えないため、見た目も気になりません。
【自費】チタン床

メリット | デメリット |
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・付け心地が良い ・耐久性が良い ・異物感が少ない ・食べ物の温度を感じられる ・硬いものも食べられる |
・自費診療 ・金属アレルギーの恐れがある |
チタン床は、入れ歯の床に金属を使用している入れ歯です。軽量で耐久性に優れており、アレルギー反応を起こしにくいです。金属床の中では特に軽く、親和性も高いため、違和感も生じにくくなっています。上記で紹介したコバルト床よりも金属アレルギーのリスクが低いです。
【自費】ゴールド

メリット | デメリット |
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・割れにくい ・壊れにくい ・熱伝導率が良い ・装着感に優れている ・美観性が高い |
・自費診療 ・重い ・修理が難しい ・金属アレルギーのリスク |
ゴールドは変色しにくく、鋳造性の高い金属です。精密に加工できるため、口にぴったりと合いやすく、人体にも優しいのが特徴です。熱伝導にも優れているため、食べ物の温度が伝わりやすく、美味しく食事ができます。
【自費】ノンクラスプデンチャー

メリット | デメリット |
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・金属のバネがなく、見た目が良い ・違和感を生じにくい ・フィット感があり、食べ物が詰まりにくい ・快適性に優れている ・金属アレルギーの心配がない |
・自費診療であるため高価 ・修理が難しい ・経年劣化しやすい |
ノンクラスプデンチャーは、留め具に金属ではなく、樹脂を使用する部分入れ歯です。弾力性があり、柔らかいため、付け心地が良いです。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。自然な色合いで周りの歯を傷つけず、違和感も生じにくいため、快適に使用できます。
入れ歯の自宅ケア方法

清掃
入れ歯は口の中に合わせて作るため、形状や構造が複雑です。そのため、清潔に見えても細かい部分に雑菌が付いていることもあります。また、顆粒状の薬が入れ歯の裏側に入り込み、汚れになってしまう恐れもあるため、清掃が欠かせません。
入れ歯の床の内面や金具の内側、残っている歯との接触面などの汚れが取れにくいため、丁寧に磨きましょう。磨く際は、排水溝に落とさないよう、洗面器の使用をおすすめします。歯磨き粉は使用しないでください。
保管
入れ歯は乾燥するとひび割れや変形を起こしてしまいます。そのため、取り外したら、清掃し、保存容器の中の水に浸して保管しましょう。水は毎日交換します。
水ではなく、熱湯やアルコールで消毒してしまうと、変形・変質の原因となるため注意してください。
夜間の取り扱い
就寝時に入れ歯を外すかどうかは、口腔内の状態によって異なるため、歯科医師の指示に従いましょう。就寝時に着用する指示を受けた場合は、1日のどこかで入れ歯を外し、入れ歯洗浄剤で洗浄する時間を作りましょう。